劇場版魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語 ネタバレあり

 本日見てきました。一言で言うと偉大な蛇足という感じです。収まりが良すぎる本編EDの直系の話のためあの続きとなるとどうしても蛇足感は出てしまいます。但しつまらないどころかメチャクチャ面白かったため「偉大な」という一言が付くわけです。
 本編は前半と後半でガラッと違う話になります。前半はテレビ版の初期と似たような導入から始まる「ナイトメア」という人の悪夢が実体化したものと五人の魔法少女が協力して戦う話。後半はこの世界の違和感に気付いたほむらが真相に迫り、そしてアルティメットまどかの力の一部を奪い円環の理から人間としての鹿目まどかを引き戻す話になります。
 前半はまるで二次創作のように魔法少女が手を取り合い戦っていき戦闘シーンも非常に華やか。五人全員の変身シーンがあるのですが、方向性がテレビと大きく異なっていてビックリ。このアニメは同じ変身シーンを使い回さないのですが、毎回変身シーンがあるわけでは無い代わりにバンクを使わないというのが豪華で好きです。太ももや胸などちょっと色気が出ているところが何より好きですわ。戦闘シーンは協力を前面に押し出していてマミとまどか、さやかと杏子が協力技みたいなものを連発してて気持ち良い。作画枚数が他のアニメ映画と比較して異常に多いということは無いと思うのですが、映像が素晴らしくシャフト発の完全新作映画としての力の入りっぷりは十分に感じました。
 今作大活躍かつキーキャラなのがテレビ版ではもう一つ魔法少女としての活躍に乏しかった美樹さやか。今作ではアルティメットまどかの側近として現出しているためか知識も実力も申し分なく、最初から全ての真相を知る一人として存分に立ち回ります。特にほむらが魔女化してから杏子と手を恋人繋ぎにしたりオクタヴィアを分身として操りほむら魔女の使い魔や本体に攻撃を仕掛けるシーンは圧巻。ほむらの次くらいに出番が多かったんではないでしょうか。
 巴マミは一番の見所は世界に違和感を感じ、マミのパートナーであるべべ(シャルロッテ)の処遇により対決するシーンですね。時間停止の魔法を存分に操るほむらに完全に勝利するという魔法少女としての高性能さを見せつけてます。マシンガンに対抗するため次々とマスケット銃を召喚する戦闘シーンの格好良さが凄い。変身シーンなどのお色気も十分。
 杏子はテレビシリーズでは割と一方的だったさやかへの好意がお互い通じているものになって良かったなあという感じ。制服を着ている機会が多く可愛いかったです。
 暁美ほむらは今作の主人公かつ黒幕でもあったという感じです。最終的にまどかの力の一部を奪い人から一つ上の概念にシフトしかつ現出もしているという、しかし最後のほむらは望んだ形になったわりに目にクマができており幸せには見えない・・・。まどかとの意識のズレも大きいように思います。悪魔服が妙にセクシー、QBを虐げる様は女王そのものでしたわ。
 あの結末だと円環の理としてのアルティメットまどかの内、人間として生きていた部分のまどかを切り離したということらしいので、アルティメットまどかそのものが消えたわけではないでしょう。魔法少女と魔獣が戦い、魔法少女ソウルジェムが穢れきったときは魔女化はせずに浄化されるという流れは崩れていないようです。ほむらが円環の理を代行するのかもしれませんが・・・
 人の感情の引き起こすコトのでかさと制御の利かなさにインキュベーターは地球からの撤退を考えているため、ストリー的にほぼ脅威はなくなったのですが、まどかの主張とほむらの主張が噛み合わないため、続編があるとすればこの女神対悪魔の対決になるんですかねー。最終的にはテレビ版の最後と同じような状況に引き戻すような方向に発展させるしかないような気がしますが果たして。忘れつつあるとはいえ全ての真相を知るさやかがキーキャラになるんでしょうね。
 情報力が多く、魔女文字も大量に出てきます。内容的にも非常に面白いのでまた見に行こうかと思います。