機動戦士ガンダム00 第23話「世界を止めて」

 ぐおおーーロックオーーーン!と咆吼せずにいられない今回。凄まじい盛り上がりでありましたよ。
 前回の終わりから拾われるかと思っていたネーナですが、普通に単独でどっかに飛んでいってしまいました。GN粒子の残量も残り少なく、にぃにぃズを失ってしまったホームレスなネーナは一体王留美のとこにでも身をよせるのでしょうかね。
 アリーはAEU外人部隊ゲーリー・ビアッジの身分を使って、統合軍に参加。人革連が抑えていたトリニティの基地からスローネツヴァイの予備パーツを提供され、完全な状態で宇宙に上がってきたようです。それにしてもアリーのような強キャラが乗り出したせいか、ドッグに設置されている姿からしていかにも強そうなムードが出ています。ジンクスにやられてた頃が嘘のような存在感。
 一方でトレミーには刹那が地上での顛末を報告。家族の敵であるアリーがスローネを鹵獲したと聞いて、ロックオンの胸の中にも怒りが燃え上がっている模様。終盤に来てアリーは色々な因縁の中心になりつつありますね。
 程なくして世界統合軍とCBの決戦が火ぶたを切って落とされましたが、万全な状態でないロックオンは待機。ティエリアは自身のハッキング能力を用いて扉にロックまでかけるという厳重ぶり。自分は彼に救われた。だから今度は私が彼を護ると誓いを新にするティエリアには序盤の頃のドライさは最早無く情に厚い血の通った仲間という感じがしっくり来ます。
 ジンクスの出撃するときの目がカパっと開いてギンッとなる感じがカッコいい。26機というと割とガンダムシリーズの決戦では少ない部類に思えますが、いざ目にすると相当多い。その中でも宇宙に鈍く輝くスローネツヴァイの姿が非常にカッコいいです。CB側もヴァーチェは二丁バズーカ。キュリオスは二門のキャノン砲を搭載したテールブースターなど決戦仕様。嫌が応にも盛り上がりますな。CBはトリニティと違って新兵器が供給されるバックアップ体制がしっかりしており、補給や母艦があるという時点でジリ貧にはなりにくい環境になってますね。
 テールブースターがすこぶる強力でいきなりジンクスを叩き落とすキュリオス。機動性も増しておりビームの雨の中を軽快に進んで行きます。後ろからはダブルバズーカをぶっ放し援護もぬかりなし。マイスター組は互角近い性能のジンクスの登場以後むしろ戦闘では輝きを増してきている感じです。弱いMSと戦って(ryとかつて言っていた人もいました。
 ヴァーチェに襲いかかるアリーのスローネツヴァイ。極太ビームをさっと交わしファングを射出する動きがすげーカッコいい。「いけよぉ!ファング!!!」と最初の二基を囮にし後攻したファングがバズーカ一丁とGN粒子コンデンサーを破壊され、GNバリア濃度が薄まり、途端に苦戦。つえーなアリーは。
 アレルヤのキュリオスも天敵たるソーマ少尉に捕まり苦戦。虎の子のトランザムを使わざるを得ない状況に追い込まれるも、ハレルヤの助力を得て頭痛が消えてます。ハレルヤがソーマ少尉と対峙しても頭痛がしないことから、ハレルヤの人格はある程度ナノマシンをコントロールすることが出来るということでしょうか。
 ヴァーチェトランザムを使用し、まさに形成逆転。ロックオンのGNアームズも戦闘に加わりこの場を凌いだ感じです。デュナメスはそのまま対艦攻撃をしかけ、相手の戦力を減らす事に専念するも、すんでのところでアリーのスローネが割って入ります。一話限りでGNアームズが沈んでしまいました・・・、デンドロビウムみたいでカッコよかったんですが。
 このまま撤退しても良さそうなのですが、相手がアリーとなるとロックオンも黙ってられず追撃戦に映ります。アリーのツヴァイにはトランザムなしではエクシアも為す術がありませんでしたが、人の執念の為せる技か、ロックオンも一歩も引かない正に死闘。この当たりの殺陣のカッコよさはヤバイですな。お互い主張をぶつけながら戦闘を繰り広げるガンダム的文法も黒田節がさえ渡っている事もあり熱いこと熱いこと。
 スローネの片腕を落とし、決着が近づいたところで、フラッグファイターの片割れであるダリルが執念でデュナメスに襲いかかり、死角を見破られたアリーのファングについにデュナメスも大破してしまいました・・・。
 ロックオンを追撃するスローネを撃たんと、ロックオンはデュナメスの照準を用いてGNアームズのキャノンに接続。ついに一撃を叩きこみます。
 ここからが泣ける。こんな事をしても家族が戻ってなんかくるわけではないこと、今際の際に彼の頭を過ぎるのはかつて失った家族との記憶。虚空に漂うロックオンは宇宙を駆ける一筋の光を見て安心したように微笑みます。地球を掴もうと手を伸ばし、そしてその手を銃に変え、地球を狙い撃ったところでロックオンの戦いは幕を閉じました。
 残るは刹那やティエリアアレルヤ、仲間達の慟哭のみ・・・。
 といったところで次回へ。今回は演出・脚本が素晴らしい。終盤に来てのこの盛り上がりはあと二話で一旦幕を閉じてしまうには実に惜しいです。まさか一期のうちにマイスターに欠員が出てしまうとは。アリーは描写的にはおそらく生きてるんでしょうな。彼のツヴァイやネーナなどはおそらく二期に持ち越しなものかと思われます。