時をかける少女 DVD限定版


 Amazonから時かけDVDが届きましたァーン。早速2chでDVD実況やってたので参加しつつ第一回視聴。
 うーん最高だわ〜。映画館で見たときの感動には及ぶべくもないですが、落ち着いて見れた分色々こみ上げてくるものもありました。何度目になるか分かりませんが、感想を書きますわ。ネタバレ前提で。

  • 二人の青年と一人の少女

 まず思ったのは千昭と功介は恐ろしくナイスガイ。千昭は虐められる高瀬を助けてあげたり、その高瀬が真琴をなじったりすると即座に怒れる。真琴が消化器をぶつけられそうになるとそれまでユリと良い感じになってたのを感じさせないダッシュで真琴を守ろうとしたり心優しい奴ですな。それでいて真琴を茶化すバランス感覚も絶妙で「つっこめよ。さみーだろ俺が。」などの話し方の節々に真琴に対する親愛が感じられますな。
 もう一人は功介。真琴千昭功介の三人組が作られるきっかけになったのはどうも功介のようです。真琴と千昭のようなタイムリープと特に関わりなく最初から最後まで普通の青年である功介ですが、その存在感は希薄ではありません。千昭に「足でかいとか言うなよ、気にしてんだから」とか「俺が彼女を作ったら真琴が一人になっちゃうじゃん」の台詞などある意味真琴よりこの三人組の関係に良い居心地を感じてるのではないかなあと。困ってるときに頼れる男ですな。
 真琴と千昭、真琴と功介の関係は作中で余すことなく語られますが、断片的に語られる千昭と功介の人間関係も学生らしい友情がありますな。最初のバスケットボールのぶつけ合いや、功介が告白された時の千昭のそういう奴だとか千昭が真琴にそっけなくされてる時の功介からのアドバイスなど三人組って二人になると難しかったりする場合もありますが、そういうところが全くないですな

  • アクション女王真琴

 真琴が気持ち良いくらい飛んだり跳ねたりアクションしてますね。いきなりチャリンコでばたばたしながら飛び出して行くところからしてそうですよね。タイムリープでゴロゴロと転がっているのもさることながら、でっかいサンドイッチを食べたながら、2リットルのお茶を飲む剛気さ。
 またタイムリープで遅刻をしなかったり、テストが出来なかったときの周りの反応が意外さに満ちていて楽しい。有名な遅刻魔かつへっぽこ少女ライフを送っているのでしょう、最初の本人の自分評とは裏腹に。
 千昭がユリと付き合うことが決まったとき顔面ブロック(凄く痛そう!)のコミカルさも面白いですな。あと印象に残ったのが一個、妹に自殺と勘違いされたとき、コンビニに行くじゃないですか。あそこで家を出たときにお互い手を振り振りするのが凄い可愛いんですけど、仲の良い姉妹ってああいうもんなんですねえ。

  • 冒頭をなぞったラストシーン

 千昭と別れた後、時間を刻み続けるデジタル時計からエピローグが始まります。ここからの展開はやはりデジタル時計が時間を刻む冒頭と繋がっています。野球をする真琴、プロローグのように千昭はいませんが、一応新たな仲間も加わって、やるべき事をつかんだ真琴は別れの後を感じさせない清々しさ。大きな入道雲を優しい笑顔で見上げる真琴に心ふるわせない人はいないでしょうという場面。ちなみにこのシーンの真琴だけ貞本さんが書いてるんですかね、やたら貞本チックでした。
 ガーネットの歌詞から、真琴は千昭に縛られたわけではなく、かといって風化していくこともない特別な存在として残っていくことが示唆されています(ガーネットは奥華子さんが時かけのコンテを見て作ったもので、また細田さんがこの歌詞でよしとしているということはそういうこと)。個人的には功介と結ばれるのベターかなあ。

  • ブックレット

 おまけのブックレットがかなり良い内容です。プロデューサーと細田監督の対談などはまあ今までも他媒体でついてきたようなものなのですが、興行にあたってのマーケティング戦略やポスター案などが面白い。当然ですがここまでのロングランは想定していないものの、最終的な動員人数は予測と現実はほぼ同じであったということ。つまり作品に対する自信はあったんだなあと。
 ポスター案は貞本氏が提案した箱絵で使われている商店街の下の踏切の真琴と真琴が空をジャンプしている絵がまずありまして、細田監督のポスター原案が色々あって階段をのぼっていて階段の上の方に千昭と功介が座っていたり、時計をバックにポーズを取る真琴など是非ピンナップ化してもらいたい絵が満載です。

 あと色々新しい絵がありますな。気に入ったのは下の絵ですが他にも下っ腹を嫌そうな顔で掴んでいる真琴や三人でファミレスで勉強した後寝こけているものなど、時かけ公式絵に飢えてたところに良い感じ。

 これは買いですよ。